冬の寒い日、暖かい部屋で過ごす時間は何にも代えがたい幸せですよね。
しかし、その幸せと引き換えに、月末にやってくる電気代の請求書を見て、思わず顔が青ざめてしまった…なんて経験はありませんか?
「暖房をつけないと寒いし、かといってつけっぱなしだと電気代が怖い…」
「節約のために暖房を我慢して、風邪をひいてしまったら元も子もない…」
そのお悩み、とてもよく分かります。でも、ご安心ください。実は、ほんの少しの知識と工夫で、暖房の快適さを我慢することなく、電気代だけを賢く節約する方法がたくさんあるんです。
この記事では、そんな夢のような「冬の節約術」を、誰でも今日からすぐに実践できる10個の魔法としてご紹介します。
ぜひ、あなたのお家の暖房費を見直すきっかけにしてみてくださいね。
その前に!暖房器具の「得意」と「不得意」を知ることが節約の第一歩
具体的な節約術の前に、大前提として非常に重要なことがあります。
それは、お使いの暖房器具の特性を理解し、「適材適所」で使うことです。例えば、こんな使い方は電気代の無駄遣いになっているかもしれません。
- ❌ 広いリビングを、パワーの弱いパネルヒーターだけで暖めようとする。
 - ❌ ちょっと足元を暖めたいだけなのに、部屋全体を暖めるエアコンの暖房をつける。
 
それぞれの暖房器具には、得意なことと不得意なことがあります。
- 【エアコン】
部屋全体を暖めるのが得意。ただし、乾燥しやすく、暖まるまでに時間がかかることも。 - 【セラミックヒーター】
狭い場所をすぐに暖めるのが得意。ただし、部屋全体を暖めるのは苦手で、電気代は高め。 - 【オイルヒーター/パネルヒーター】
部屋全体をじんわり、乾燥させずに暖めるのが得意。ただし、暖まるのが遅く、パワーはマイルド。 - 【遠赤外線ヒーター】
人の体を直接、芯から暖めるのが得意。ただし、部屋の空気は暖まらない。 
このように、暖房器具の特性を理解し、「リビングではエアコンとサーキュレーターを併用し、脱衣所ではセラミックヒーターを短時間使う」といったように使い分けることが、実は最大の電気代節約に繋がるのです。
【節約術①〜③】暖房器具の「設定」を見直すだけ!
まずは、今日からリモコン操作だけでできる、最も簡単な節約術です。
① エアコンの設定温度は「20℃」を目安に
環境省が推奨している冬の暖房時の室温は20℃です。「少し低いかな?」と感じるかもしれませんが、エアコンの設定温度を1℃下げるだけで、約10%の消費電力削減に繋がると言われています。
後述する「体感温度を上げる工夫」と組み合わせることで、20℃でも十分に快適に過ごせますよ。
② エアコンの風向きは「下向き」が鉄則!
暖かい空気は自然と上に溜まる性質があります。
エアコンの風向きを「下向き」や「ななめ下向き」に設定することで、暖かい空気が足元から部屋全体に効率よく循環し、無駄なく暖かさを感じることができます。
自動運転にしていると、勝手に水平方向になってしまうこともあるので、時々チェックしてみましょう。
③ タイマーとエコモードをとことん使いこなす!
多くの暖房器具に搭載されている「タイマー機能」と「エコモード(省エネ運転)」。使わない手はありません。
例えば、寝る1時間前に暖房をオフにし、起きる1時間前にオンになるようタイマーを設定すれば、睡眠中の無駄な電力をカットしつつ、快適な朝を迎えられます。
日中も、人のいない時間を検知して自動でオフになる人感センサーなどを活用しましょう。
【節約術④〜⑥】部屋の「熱」を逃さない!窓とドアの断熱テクニック
せっかく暖めた部屋の熱、実はその約50%が「窓」から逃げています。
窓の断熱対策は、電気代節約に絶大な効果を発揮します。
④ カーテンを「厚手・床まで届く長さ」に!
窓と部屋の間に空気の層を作ることで、断熱効果が生まれます。
厚手のカーテンや、床までしっかり届く長さのカーテンに替えるだけで、窓からの冷気をシャットアウトし、室内の熱が逃げるのを防いでくれます。
日中は太陽の光を取り入れ、夜になったらすぐにカーテンを閉める、という習慣も大切です。
⑤ 最終兵器!「断熱シート」を窓に貼る
ホームセンターや100円ショップでも手軽に購入できる窓用の断熱シート。
プチプチとした気泡緩衝材のようなシートを窓に貼るだけで、驚くほど断熱効果が高まります。見た目が気になるかもしれませんが、結露防止にもなるなどメリットは大きいです。
⑥ 見えない敵!「隙間風」をテープで塞ぐ
古い建物だと、ドアや窓のサッシから意外と隙間風が入ってきているもの。これも100円ショップなどで手に入る「隙間テープ」を貼るだけで、簡単に防ぐことができます。
地味ですが、効果は絶大です。
【節約術⑦〜⑩】体感温度を上げる!ちょっとの工夫で暖かさUP
同じ室温でも、ちょっとした工夫で「暖かさの感じ方」は大きく変わります。
体感温度を上げて、暖房の設定温度を下げましょう!
⑦ 湿度を制する者は、暖かさを制する!
冬は空気が乾燥しがちですが、実は湿度が高い方が体感温度は上がります。
加湿器を使ったり、濡れタオルを部屋に干したりして、湿度を40%〜60%に保つように心がけましょう。喉や肌の健康にも良く、一石二鳥です。
⑧ 「3つの首」を温める!
太い血管が通っている「首」「手首」「足首」の3つの首を温めると、効率よく全身を温めることができます。
ネックウォーマー、リストウォーマー、レッグウォーマーなどを活用して、この3点を冷やさないようにしましょう。一枚多く着るより効果的な場合もあります。
⑨ サーキュレーターで暖かい空気を循環させる
暖かい空気が溜まりがちな天井に向けてサーキュレーターを回すと、部屋の空気が循環し、温度ムラがなくなります。
結果的に、エアコンの設定温度を上げすぎなくても、部屋全体が効率よく暖まります。夏だけでなく、冬にこそサーキュレーターは活躍するのです。
⑩ カーペットやラグを敷く
フローリングの床は、足元から体温を奪っていきます。
カーペットやラグを一枚敷くだけで、床からの冷気をシャットアウトし、足元のひんやり感を大きく和らげることができます。ホットカーペットなら、さらに快適ですね。
まとめ:小さな工夫の積み重ねが、冬の電気代を大きく変える
今回ご紹介した10個の節約術、いかがでしたでしょうか。
一つ一つは小さなことかもしれませんが、これらを組み合わせることで、冬の電気代は驚くほど変わってきます。
冬の節約術 おさらいリスト
- エアコンの設定は20℃、風向きは下!
 - タイマーとエコモードをフル活用!
 - カーテンは厚手・長く!
 - 窓には断熱シート、ドアには隙間テープ!
 - 加湿器で湿度をコントロール!
 - 「3つの首」を温める!
 - サーキュレーターで空気を循環!
 - 床にはカーペットやラグを!
 - 暖房器具は適材適所で!
 
大切なのは、「暖房を我慢する節約」ではなく、「賢く工夫して、快適なまま節約する」という意識です。
ぜひ、できそうなことから一つでも取り入れて、家計にも体にも優しい、暖かい冬をお過ごしくださいね。

  
  
  
  
